「常滑焼」とは愛知県の知多半島にある常滑市を中心に焼かれる焼き物です。その歴史はとても古く、平安時代末期(12世紀)には、常滑を中心にして知多半島の丘陵地のほぼ全部の地域に穴窯が築かれるほどでした。当時、焼き物をつくっていたところが「日本六古窯 (瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前・越前) 」と呼ばれていて、常滑はその中でも最大規模の生産地でした。 常滑焼の特長のひとつでもある「朱色」は、原料に含まれる鉄分や、陶土に混ぜこまれている酸化鉄(ベニガラ)が赤く発色するためです。これらの土は改良され、急須に適した朱泥土となったのです。 この土は耐水性に長けており、水を吸わないため急須に最適です。 また、常滑焼の急須で淹れたお茶は、とてもまろやかで美味しいといわれています。 その理由は、朱色のもとである酸化鉄とお茶のタンニンが反応を起こし、お茶の渋みや苦みがちょうどよくなりまろやかな味わいになるといわれているからです。 常滑焼急須は、本体と蓋を一体で焼成し、その後「蓋合せ」という工程を行います。蓋合せとは、蓋と胴がぴったりと合わさるように擦り合わせるものです。これにより急須表面に施される釉薬も削られ、蓋の側面および蓋置き部分の色の表情が違うのはそのためです。 この常滑焼の急須に、注ぎ口の部分だけを覆う板網茶漉しをセッティングしました。網目が細かいので深蒸し茶を淹れるのに特におすすめです。
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